第22回テーマ

   
~知っていますか?歯科技工士さんのこと~


みなさんは、「歯科技工士」という職業をご存知ですか?
歯科医院に関する職業といえば、歯科医師、歯科衛生士、受付、歯科助手などがありますが、このどれもが、直接患者さんと触れ合うことができます。
一方、歯科技工士の方は、患者さんと直接会うことはめったにありませんが、
歯科には欠かせない職業の一つです。
今回は、そんな縁の下の力持ちである「歯科技工士」にスポットを当て、
皆さんに歯科技工士の方々の仕事ぶりをレポートしたいと思います。

その前に、歯科技工士について簡単に説明したいと思います。


●技工士とは何?
 歯科医師が作成した指示書を元に、入れ歯や差し歯・銀歯などの
作製・加工を行う専門職です。

●仕事内容は?
 入れ歯・差し歯・銀歯・ブリッジ・矯正装置・ボクシングの選手などが使う
マウスピースなどを作っています。
 作業は繊細で、専門的な知識と技術が求められます。

●どうやったらなれるの?
 歯科技工士養成学校で2年ないし3年、もしくは歯科技工士養成科のある
大学・短大で、カリキュラムを終了し、国家試験を受けて合格すれば
歯科技工士免許を取得できます。

岡山県内では
・岡山歯科技工専門学院
・笠岡歯科技工専門学校などがあります。



            歯科技工所へ行ってきました!

さてここからは、実際にうじごう歯科がお世話になっている、備北歯科研究所(以下、備北歯研)という歯科技工所へ、村上と山田が見学に行ってきた様子をまとめたのでご覧ください。

備北歯研は岡山県高梁市にあります。
右の写真は、市内の住宅街にある
一見普通のマンションですが、実は、
ここの一階が技工所になっています。
技工所にお邪魔すると、皆さん、もくもくと作業をされていました。
スタッフは技工士6人、歯科衛生士2人、事務1人、配達1人の
計10人だそうです。




こちらは所長の小泉さんです。
週に2回、当院に技工物を配達してくださいます。
とてもやさしく、おもしろい方です。
「技工所に衛生士さんもいるの?」と思われた方もいらっしゃいと思いますが、ここでは衛生士の方は、主に模型の作製や入れ歯の研磨などを
されているようです。

スタッフ総出で技工物作製に携わっているんですね。

技工士さん一人一人に机があり、かぶせ物や入れ歯などの作製を
されています。
もくもくと作業をするし、細かい仕事なので、「とても疲れるんですよ」と、
技工士の方が話してくれました。

              
              
また、技工所内には、私たちが見たことのないような、様々な機械や材料が
置いてありました。
何に使うのか、教えてもらったのですが、分かったようで分かりませんでした…。
でも、分かるものもありましたよ。
          
                 

備北歯研では、25の歯科医院の技工物を作っているそうです。
各医院により、指示が異なるため、「一口に入れ歯と言っても、出来上がったものに少しずつ特徴があるんだよ」、と教えてくれました。
ちなみに、下の2つの写真を見比べて、違いが分かりますか?
       
(答え:入れ歯の歯肉の色が違います)
棚にきれいに技工物が並んでいます。
納品日に遅れないようにきちんと整理
されているんですね。安心します。
ちなみに、小泉さんは、「技工所にとって、納品日を守ることは、命です。
どんな理由でも遅らさないようにしています。」と話してくださいました。
納品日に技工物が届かなければ、患者さんにご迷惑がかかってしまうので、
歯科医院にとっても、きちんと期日までに技工物を届けてもらうことは、
本当に重要なことです。




スタッフの方々に、色々質問させていただきながら、2時間ほど見学をさせて
いただきましたが、興味深いことばかりで、あっという間に時間が過ぎました。
本当に細かい作業で、集中力を必要とするお仕事だということがよくわかりました。

入れ歯やかぶせができあがるまでには多くの工程があります。
入れ歯の研磨を担当されている、小泉さん(所長の小泉さんの奥様です)に
お話を聞いた際、「研磨が最後の工程。今までのたくさんの工程を考えると、
自分のところが最後なので、頑張らないと、と思うんです。」と話してくれました。
この言葉のように、歯科医師、技工士がそれぞれの工程を責任もって
担当して、やっと患者さんの口の中に入るということを、今回の見学で
実感することができました。

今回の見学の報告を、スタッフにしたところ、みんな興味をもったみたいで、
「機会があれば行ってみたい!」という反応で、村上、山田とも少し、得した気分を味わえました。
備北歯研のみなさま、お忙しい中、見学させていただきありがとうございました。
これからも、うじごう歯科をよろしくお願いします。
              
              



←スタッフのみなさん。お昼休みに撮影させてもらったので、全員ではありませんが、代表で技工士さん4人、衛生士さん1人の方が映っています。







         インタビュー

ここからは、備北歯研の所長である小泉さんに、歯科技工士や技工所について知るために、色々質問してみました。
小泉さんは技工士歴37年の大ベテラン。技工士の仕事だけでなく、
出来上がった技工物を、歯科医院へ届ける業務もしてくれています。
分からない点があれば、的確なアドバイスを私たちにくれるし、
いつも優しくておもしろい、とても頼れる技工士さんです。


★技工士さんのやりがいは?
次々に新しい技術を習得していけることですね。
出来なかったことが出来るようになったりすると、どの技工士も嬉しいみたいです。
また、かぶせや入れ歯に関して、直接、患者さんから感想を聞くことができないので、私が医院に行った時、先生に、どうだったのかを聞き、褒め言葉などをもらった際は、それを技工士達に伝えれるようにしています。自分が作った物が、「良かったよ」と言われることは、一番嬉しいのではないでしょうか。
                 
★どういう人が技工士に向いていると思いますか?
手先の器用さ、不器用さはあまり関係ないですね。たとえ器用だとしても、雑な人はダメだし。やはり、素直な人が向いていると思います。何かわからないことがあった時に、分からないまま進めていくのではなく、素直に「分からない」と質問したり、自分が作った物を、私や先輩にチェックしてもらう姿勢があるのは大切ですね。



★仕事をする上で意識していることはありますか?
スタッフは、技工所にずっと居て作業をするので、先生や患者さんの声を直接聞く事ができないのが、この仕事の欠点だと思うのですが、模型しか見ずに、患者さんや先生の気持ちを考えずに作業をすると、どうしても仕事への配慮に欠けてしまいます。ですから、機械的に仕事をするのではなく、自分の身内にかぶせや入れ歯を作るような気持ちで取り組むように、スタッフには指導していますし、私自身も意識しています。
このように思い始めたきっかけは、私が新米技工士だった時に、私が作った、下手な技工物を先輩が見て言った、「これを自分の身内の口の中に入れられるか?」という言葉です。

また、技工士は、歯科医院で働く皆さんと違い、患者さんと接する機会がほとんどないため、コミュニケーション能力不足が否めません。よって、少しでもその訓練になればという思いから、週1回朝礼を行っていて、毎回一人ずつ当番を決めて、皆の前で、何か話をするようにしています。社会人としては、コミュニケーション能力は必須ですからね。




★最後に一言メッセージをお願いします。
歯科医院と、技工所は、お互いに伸びていかないといけないと思います。入れ歯やかぶせ物は、歯科医師、歯科衛生士、技工士の皆で多くの作業工程を経て、作り上げるものだと思います。お互いに切磋琢磨して、患者さんに喜んでもらえるように頑張っていきたいですね。

 
                  

                     まとめ
技工士さんについて、少しは分かっていただけたでしょうか?私達も歯科医院スタッフでも、普段、技工士さんの仕事ぶりを拝見する機会はないので、今回の技工所見学は、とても貴重な経験になりました。

スーパーなどで、野菜の生産者の名前や写真を表示したりするのを見かけることがありますよね。生産者が誰か分かると、安心する。それと同様に、今回、初めて技工所に見学にうかがって、スタッフの方と実際に触れ合うことができ、この方たちに、私達、歯科医院のスタッフや患者さんはお世話になっているんだなということが分かりました。それにより、今まで以上に安心して技工物を依頼できるようになった気がします。
それと同時に、私達は、技工士の方が、一生懸命作製してくださった技工物を丁寧に扱わないといけない、という責任感、また、技工士の方に、正確に患者さんの情報を伝えないといけないという思いが生まれ、日々の診療を反省する良いきっかけにもなり、本当に有意義な時間でした。
最後になりましたが、今回、快く見学を引き受けてくださった備北歯研の皆様、本当にありがとうございました。














HOMEへ戻る