医者や病気中心の治療から患者中心の治療へ

今までの歯科治療は、医者や病気中心(Doctor/Disease Oriented System.DOS)で進められてきました。
患者の希望や利益はほとんど考慮されず、医者の判断で選択された治療方法に患者は黙って従うというものでした。
これに対して、患者中心(Patient Oriented System,POS)の治療は、患者利益を最優先するもので、インフォームドコンセントを重視し、患者の幸せにつながる治療です。

ここで少し具体的にお話をしましょう。

あなたは、歯が痛くなってある歯科医院を訪れました。
レントゲンを撮ってみると虫歯は神経近くまで進行していました。神経を取ってしまえば、もう痛くないし簡単に治療は終わります。もし神経を残して後で痛くなれば、その病院の評判も悪くなるし、また保険で給付される治療費は神経を取らずに治療するのと取るのとでは何倍も神経を取って治療したほうが高いとなれば簡単に神経を取ってしまうかもしれません。
そのとき、その先生は神経を取った歯が将来どのようなトラブルに会う可能性があるのか、また歯の寿命がどれぐらい短くなるのかを十分に術前に説明してくれているでしょうか。
歯は一度神経を取ってしまうと,脆くなったり、根っこの先に膿がたまったりして、次々とトラブルが起こり、再治療に余分なお金や時間がかかります。
それ以上に何よりもすごく痛い思いをしたり、嫌な思いをしなければなりません。

それでは患者中心の治療だとどうなるでしょうか。
まず神経を取ることの利点、欠点を十分に説明し、出来るだけ神経を取らずに治療することを検討します。
しかし、不幸にして神経を取る処置になった場合は、その治療した歯が少しでも長持ちするように定期的なメインテナンスや原因となる生活習慣の改善等により口腔内の環境改善を行います。そうすることにより、平均7年と言われている修復物の寿命を10年にも20年にも延ばすことができるのではないでしょうか。

さあ、あなたはどちらの治療を選びますか?


あなたにとって、歯医者は歯を治しにいくところ?

ここまで、いろいろと歯科の治療が変わってきたことをお話しました。
「へぇー、こんな話は始めて聞いた。今までの治療は何だったんだろう。」と思うかもしれません。
しかし、すべての歯医者が私と同じ考えとは限りません。予防を中心に考え、患者中心の治療を行う歯医者はどんどん変化して行きます。
では、皆さんはどうですか? みなさんも変化していますか ?

ある診療室での会話です。

Dr 「今日は、どうされましたか?」

患者A 「右下の歯が一週間前から痛いんです。我慢してたんですが、昨日の夜は痛くて眠れなくて。歯医者は、苦手なんですけど、しょうがなくてきました。」

患者B 「一ヶ月前に奥歯の詰め物が取れたんです。痛くないのでほっといたんですが、3日前に歯が欠けてしまったんです。」

ほとんどの患者さんは、上のような理由で歯医者をいやいや訪れます。
痛くなったり歯が欠けたりしてから治療する場合、費用も治療回数もかかるし、痛い思いもしなければなりません。
おまけに、治療した歯は、どんどん悪くなるとすれば、ますます歯医者には行きたくなくなります。

では、予防を重視した診療室での会話です。

Dr 「今日は、どうされましたか?」

患者A 「どこも痛いところはありません。今日は、虫歯にならないように歯の掃除と、フッ素を塗ってもらいに来ました。何でも自分の歯でおいしく食べたいから。」

患者B「特に気になるところはありません。でも歯石が少し付いたのと、歯のクリーニングをしてもらいたくて来ました。3~4ヶ月に一回歯医者へきて掃除とチェックをしてもらっていると安心ですから。」

患者C「大人の歯が生えてきたんです。一生使う歯だから大事にしたいんです。先生、どんなことに気をつけたらよいでしょうか?」

どうですか?こんな会話ばかりが飛び交うような歯科医院へ通ってみたいとおもいませんか?
21世紀は予防の時代です。

予防を重視する歯医者さんを探しましょう。