歯科の治療はこんなに変わった。今までの常識は非常識かも…。

「歯科に行けば行くほど歯は、わるくなる?」

2003年1月18日付けの山陽新聞に掲載されたフレーズです。
見られた方もいるかもしれません。
あなたは、どう思いますか?

それでは少しこの記事について考えてみたいと思います。
現在歯科で治療されている詰め物やかぶせの寿命は、平均で5〜7年という少しショッキングな数字があります。
一度治療した歯を再治療する場合、以前の詰め物より必ず大きなものになってしまいます。同じ歯に対して、5〜6回再治療をすると、たいていの場合は、歯はなくなってしまいます。
もしあなたが、同じ歯に対して7年毎に再治療を受けて行くと、42年後には歯は失われてしまいます。20才で最初の治療をしたとしたら62才で歯はなくなり、入れ歯を入れなくてはならなくなります。まじめに歯医者に通い、少し問題があるだけで、早め早めに治療をした結果、歯は悪くなってしまいます。
一体、誰がこんな結果を予想したでしょうか。


【治す虫歯、治さない虫歯】

 治す虫歯、治さない虫歯と書くと、治さない虫歯なんてあるのかと思われるかもしれません。
虫歯には、どんどん進行し痛くなる急性の虫歯と、歯の表面や溝が黒くなったり茶色くなったりするものの、ほとんど進行しない慢性の虫歯と二種類の虫歯があります。
この慢性の虫歯や歯の表面が白くなったような初期の虫歯の中には、治療しなくてもブラッシングやフッ素塗布などにより進行を抑制できるものも少なくありません。
また。乳歯の虫歯で、生え変わりの時期のせまっているものも治療の必要は必ずしもないと思います。

 「早期発見、早期治療」と言われ、どんな虫歯もすぐに治療していた今までの歯科治療はなんだったのでしょうか。
一度削ってしまった歯は、もう二度と元には戻りません。
本当に治療する必要のある歯だけを最低限に治療することこそ、歯の寿命を延ばすことにつながるのではないでしょうか。
 また、同じような虫歯であっても患者さんによって危険性や予後は異なります。これからの歯科治療は、個々の患者さんの虫歯の原因、危険性を調べ、予後を考えた上での、予防を中心とした「出来るだけ歯を削らない治療」ではないでしょうか。

・ ・・・・・・・個々の患者さんの虫歯の危険性を知る検査が、カリエスリスクの判定です。


カリエスリスク(虫歯の危険性)ってなに?

虫歯は、どうしてできるのでしょうか?
「甘いものをたくさん食べたり飲んだりするから」とか「歯磨きをまじめにしなかったから」と思っている人も多いと思います。
しかし、実は虫歯の原因ははそんなに単純なものではなく、種々の要因が絡み合って発症し、個人個人によって大きく異なることが解ってきました。
カリエスリスクとは、臨床診査、細菌検査、唾液検査そして生活習慣チェックなどを行うことにより、一人一人の虫歯の危険性を科学的に知ることができる大変画期的な検査なのです。

では、どんなことを調べるのでしょうか?
1) 歯の表面に残っている歯垢の量
2) 虫歯の原因菌と言われているミュウタンス菌やラクトバシラス菌の数
3) 唾液の量
4) 唾液の緩衝能
5) フッ素の使用
6) 飲食回数
7) 虫歯の経験度
8) その他

今までの虫歯治療では、できてしまった虫歯の大きさや部位によって治療方法や材料は違うものの、カリエスリスクなどはほとんど考えていませんでした。これからの虫歯治療は、上記のような検査結果に基づいて、個々の患者さんに対応した治療であるべきだと思います。
さあ、あなたはどちらの治療方法を選択しますか。